CASE

事例紹介

申立書・理由書で個別事情を説明(2社)

顧客像
飲食業(大阪府)、営業管理システムを開発する企業(愛知県)
担当
ワトナル社会保険労務士事務所
テーマ
助成金・奨励金

課題

見積書と申請内容の食い違いや、システム開発費の妥当性など、様式だけでは伝わらない事情があった。

支援の内容

4店舗分の見積のうち1台分だけを申請する理由を申立書で説明(自動釣銭機)。システム開発費を対象とする申請では、労働局長あての理由書と相見積の構成を整えた。グループ会社の申請では労働局からの質問にも回答。

成果・ポイント

審査で疑義が出やすい点を、提出時点で先回りして説明。

背景にある制度・ルール

業務改善助成金や働き方改革推進支援助成金では、設備等の価格が適正かどうかを確認するため、原則として同一条件の仕様による二者以上の見積書(相見積もり)を提出します。業務改善助成金のQ&Aでは、契約予定額が10万円(税抜)未満の場合を除いて相見積もりが必要であること、交付決定後は最低価格を提示した者と契約すること、自社や親会社・子会社・グループ企業、役員を兼任している会社、代表者の親族などの見積書は認められないことが示されています。働き方改革推進支援助成金の支給要領でも、同一の企業グループ内の別事業者から得た二以上の見積りは、原則として相見積もりを取得したことにならないとされています。

一方で、二者以上の見積りがそろわない事情がある場合の扱いも定められています。業務改善助成金では、経営コンサルティングで二者以上から見積書を取ることが困難な場合に、その旨を記載した理由書(様式任意)を提出して一者見積もりの妥当性を説明すること、知的財産権等により販売元が限られる場合に、それが客観的に分かる資料を提出することが示されています。働き方改革推進支援助成金でも、二以上の見積書の提出が困難な場合は、市場参考価格等が分かる資料の追加提出を求めることがあるとされています。

また、業務改善助成金は事業場ごとに申請する制度です。Q&Aでは、同一企業の複数事業場で共同の設備投資をする場合など、個別に算定できない費用は事業場数で按分して算出するとされています。申請書に書かれた内容と見積書などの添付書類の数字が一致していないと、審査の過程で確認が必要になります。

支援のポイント

本件は、様式だけでは伝わらない事情を、書面で補った2社のケースです。

飲食業の会社では、4店舗分の見積のうち1台分だけを申請する理由を、申立書で説明しました(自動釣銭機)。見積書には4店舗分が記載されているのに申請は1台分だけ、という状態は、そのままでは「なぜ金額が合わないのか」という疑問を生みます。申請の単位と見積書の関係を提出時点で説明しておくことで、確認のやり取りを減らすことを狙いました。

営業管理システムを開発する会社では、システム開発費を対象とする申請で、労働局長あての理由書と相見積の構成を整えました。システム開発は会社ごとに仕様が異なり、同じ条件で比較しにくい性質があります。比較の前提となる仕様をそろえて相見積もりを構成し、開発費の妥当性を理由書で説明することが、審査で疑義を持たれにくくするために重要です。

また、グループ会社の申請では、労働局からの質問にも回答しました。質問への回答は、申請書や添付書類の記載と矛盾しないことが大前提であり、事実関係を整理したうえで対応しています。

いずれも、審査で疑義が出やすい点を、提出時点で先回りして説明するという考え方で対応しました。

同じような課題をお持ちの方へ

  • 見積書の金額・数量と申請内容が一致しない場合は、その理由を申立書などで事前に説明しましょう。
  • 相見積もりは、同じ仕様・同じ条件で依頼しましょう。仕様が違うと比較になりません。
  • 見積先が、自社・グループ会社・役員の兼任先・代表者の親族の会社などに当たらないか確認しましょう。
  • システム開発など比較が難しい経費は、仕様書や作業内容の内訳を用意し、価格の根拠を説明できるようにしましょう。
  • 労働局からの照会には、申請書類と矛盾しないよう、根拠となる資料を添えて回答しましょう。

申立書や理由書は、個別の事情を正確に伝えるための書類であり、要件を満たさないものを補うものではありません。事実をそのまま、簡潔に書くことが大切です。

参考資料

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